お伊勢参りの準備は大変なのであります

仕事に都合で3月末と4月以外休みが「無い」のです。
46歳。一生懸命育てた娘ももう成人。
ここらでひとつ、悲願のお伊勢参りに行ってもいいのではないかと思いました。
早速、「値段で」飛行機の便と日程を組みました。
それが後々の混乱を生むとも知らず。
予約も済み、やっと色々調べたのですが、なんと去年、お伊勢さんは式年遷宮。知りませんでした。
今年は20年に一度の「おかげ年」でご利益倍増、平日でも日本どころか世界中から人が押し寄せているそうではありませんか。
私の夢は、日がな一日、静寂神々しい境内でじーっと座り、穢れを清めたい心持ちだったのですが・・。
でもまあ、「おかげ年」かあ。そんな年に伊勢に行けるのも何かのご縁。よし、行ってしまえ。
数日後、予約した宿から挨拶メールが来ました。
「ご参拝は正装をお勧めします。そうすれば非公開だった旧神宮に入れていただけます。20年に1度の機会です」
え!なにそれ!すぐに宿に電話しました。
「皇族しか入れない場所まで入れてもらえますよ、服装の規定が厳しいですが。」
「正装って、どんな・・?」
「分かりやすく言えば、園遊会に御呼ばれして皇居に伺う時のような服装です。」
ちっともわかりません!
もんもんと出発直前まで、持っているスーツを並べて悩んでいました。
そんなときに実にいいような悪いようなタイミングのニュースが。
「天皇皇后両陛下、伊勢神宮をご参拝。」
テレビには、伊勢の白い玉砂利をお歩きになる燕尾服の天皇陛下と、ドレス姿の皇后陛下が映し出されておりました。
10余年ぶりのご参拝で、しかも私が行く前日までご滞在じゃないですか。なんとー!
一般参拝客が締め出されて川の向こうの神宮を眺める映像を見、一日ずれたら参拝できなかったわと不敬にもちょっと考えました。
それよりも・・皇后陛下のドレス!この際わたしも仕立てようかと、どこか可笑しな自虐的気分。
そんな私にさらなるニュースが。
「大相撲、三横綱が今週日曜、伊勢で土俵入り奉納」
がーん、です。私が行く日です。
身動き取れないぐらいの人ごみが目に浮かびます。実際、週末はそんな日が多く、伊勢の高速出口に規制がかかるほどなのです。
もう不安だらけの中、結局選んだ「喪服」を携え、私は新千歳を飛び立ちました。
はい、すごい人、人、人。
黒い喪服に娘の黒いローファーを履いた私は目をみはってしまいました。
正装の恩恵の件はあまり知られていないようで、
そこをナントカお願い、遠くから来たんだから~と必死で宮司さんに交渉する人の横を小さくなって通り過ぎ、
準備の機会に恵まれた者だけが入れる厳かな場所に、私は行くことが叶いました。
もう感涙ものです。あまりにありがたくて。
結論を言えば、私は強引にまったりと過ごしました。
幾多の人が集まろうと、消せない静寂と神々しさが神宮にはあったのです。
翌日の土俵入りの日、伊勢は大嵐でした。
人足はへり、私は朝早くから神宮に行き、雨の中静かに過ごすことにきめ、
心ゆくまで、御正宮をおまいりし、そこで立ち尽くしておりました。
雨降ってなお神々しい境内を堪能後、いい場所から新横綱含む3人の横綱による土俵入りをしっかり見ました。
私は結果、心のそこから満足して伊勢を後にしたのです。
結果論ですが、なんて運がいいときに行ったんでしょうね。